Ⅲ.金の密輸動向(令和8年版「密輸の動向」第Ⅲ章)
Text as of 2026-09-28
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- Other
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- —
- Issued by
- 財務省関税局 (Japan Customs)
- Country
- Japan
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Ⅲ.金の密輸動向 1.金の摘発実績 平成26年以降急増した金地金の密輸に対応するため、平成29年11月、「『ストップ金密輸』緊急対策」を策定・公表し、検査の強化、処罰の強化、情報収集及び分析の充実等に取り組み、平成30年4月の罰金上限額の引き上げ後は、摘発件数・押収量ともに大幅に減少していました。 しかしながら、訪日外国人旅行者数の急回復や金価格の高騰等を受け、足元で金密輸の摘発件数・押収量は増加傾向にあります。訪日外国旅行者数と輸入貨物の更なる増加が見込まれる中、金密輸への対策は喫緊の課題です。 このような金密輸を巡る状況に鑑み、財務省関税局・税関は、令和6年11月、及び令和7年11月に臨時税関長会議を開催しました。令和7年11月の臨時税関長会議では、①水際対策の強化、②制度面の対応、③ 関係機関との連携強化という金の一連の流れに着目した総合的な対策を打ち出し、財務大臣から各税関長に対して、税関における金密輸の水際取締りをより一層強化するよう指示しました。 関税局・税関においては、上記の総合的対策に基づき、情報及び高性能機器を活用した旅客や輸入貨物に対する検査の強化や税関長の通告処分による没収等により、厳格に対応するとともに犯則調査を通した厳正な処分を実施します。 <金の摘発状況> 令和7年の1年間における金地金*の摘発件数は192件(前年比61%減)、押収量は約425 ㎏(同68%減)と減少しました。 *金地金には、金塊に加えて一部加工された金製品も含む。 【金地金の過去10年間の摘発状況】 | | H28 | H29 | H30 | R1 | R2 | R3 | R4 | R5 | R6 | R7 | |---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---| | 摘発件数(件) | 811 | 1,347 | 1,086 | 61 | 51 | 5 | 9 | 219 | 494 | 192 | | 押収量(kg) | 2,802 | 6,277 | 2,054 | 319 | 150 | 27 | 135 | 302 | 1,334 | 425 | (注)令和7年は速報値である。 密輸形態別の摘発実績では、令和7年の摘発件数192件のうち、航空機旅客によるものが158件となり、全体の約82%を占め、押収量約425 ㎏のうち、航空貨物によるものが約283㎏と全体の約66%を占めました。 密輸仕出地別の摘発実績では、アジアからの摘発件数が大宗を占め、香港からの摘発が75件と最も多く、全体の約40%を占めました。 <!-- page break --> 密輸形態別の摘発状況(R7) | 密輸形態 | 摘発件数(件) | 押収量(kg) | |---|---|---| | 航空機旅客 | 158 | 136 | | 国際郵便物 | 9 | 3 | | 航空貨物 | 21 | 283 | | 海上貨物 | - | - | | 船員等 | 4 | 4 | | 合計 | 192 | 425 | (注)・数量の表記について、「-」とは全く無い場合を示す。 ・端数処理のため、数値が合わないことがある。 ・航空機旅客には航空機乗組員を含み、船員等には、洋上取引、船舶旅客等を含む。また、航空貨物には、航空での別送品を含み、海上貨物には、海上での別送品を含む。 密輸仕出地別の摘発件数(R7)(円グラフ、画像から読み取り):香港 75件、中国 62件、台湾 21件、韓国 15件、ベトナム 4件、タイ 3件、フィリピン 3件、マカオ 3件、その他 6件、欧州 2件、中東 1件、北米 1件;アジア 188件 <金の主な摘発事例> [事例1] 韓国から関西空港に到着した旅客らの身辺や携行品内に隠匿された金製品計約3.5 ㎏を摘発しました。(令和7年1月・大阪税関) [事例2]中国から羽田空港に到着した航空機乗組員の身辺に隠匿された金地金約6㎏を摘発しました。(令和7年5月・東京税関)
<!-- page break --> 2.金密輸入の仕組み 金の密輸入は、消費税を申告・納付せずに国内に持ち込んだ金を国内の金買取事業者に売却することによって、消費税額相当分を利益として獲得することを目的に行われていると考えられます。 例えば、本体価格2,000万円 /㎏の金5㎏(1億円)を輸入する場合、本来であれば輸入時に税関で1,000万円(1億円×10%)の消費税を納付する必要があります。しかしながら、密輸入を企てる者は、その消費税の納付を行うことなく、金を国内に持ち込みます。そうして密輸入した金を市中の金買取業者が消費税(1,000万円)込みの価格で買い取り、消費税分の利益が密輸者に渡ることとなります。さらに、国内で買い取られた金(税込み1億1,000万円)が輸出されると、仕入時に支払った消費税(1,000万円)が還付され、密輸者の収益につながっている可能性があると考えられます。 このような金の密輸は、多くの場合、組織的に行われていると考えられます。密輸組織は密輸入した金を精錬・加工し、追跡を困難にしたうえで輸出している形跡も窺われ、一連の組織的なスキームとなっている可能性が示唆されます。 さらに、金の密輸入によって得られた利益が国外に持ち出され、新たな金の購入資金に充てられるという還流型スキームとなっている可能性もあり、対策が急務となっています。 金の密輸のスキーム図(イメージ) (図中の文字、画像から読み取り)海外:1億円の金を持ち込む場合 → 金の密輸入(消費税1,000万円の脱税)→ 仲介業者(複数?)[精錬・加工?] → 売却 1億1,000万円(うち消費税1,000万円)→ 買取者・輸出者 → 金の輸出(税関)→ 金取扱事業者;支払い 1億円;国税 → 買取者・輸出者(消費税1,000万円の還付)