Ⅲ.金地金の密輸動向(令和3年版「密輸入の動向」第Ⅲ章)
النص بتاريخ 2026-09-28
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Ⅲ.金地金の密輸動向 1. 金地金の摘発実績 平成 26 年以降急増した金地金の密輸に対応するため、平成 29 年 11 月、「『ストップ金密輸』緊急対策」を策定・公表し、検査強化、処罰の強化、情報収集及び分析の充実等に取り組んでいます。平成 30 年 4 月の罰金上限額の引き上げ後は、摘発件数・押収量ともに大幅に減少しています。 <金地金の摘発状況> 令和2年の1年間における金地金*1 密輸事件の摘発件数は 51 件(前年比 16%減)、押 収量は約 150kg(同 53%減)と共に減少しました。 *1 金地金には、金塊に加えて一部加工された金製品も含む。 【過去 10 年間の摘発状況】 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 R1 R2 摘発件数(件) 17 18 12 119 465 811 1,347 1,086 61 51 押収量(kg) 63 79 133 449 2,032 2,802 6,277 2,054 319 150 (注)令和 2 年の数値は速報値。 密輸形態別では、摘発件数 51 件のうち、航空貨物と航空機旅客によるもので 46 件となり、全体の約9割を占めました。 密輸仕出地別にみると、アジアからの密輸入が全体の 98%と大宗を占めました。 密輸形態別の摘発状況(R2) 密輸仕出地別の摘発件数(R2) 密輸形態 摘発件数(件) 押収量(kg) その他 航空機旅客 21 15 香港 4件 6件 台湾 航空貨物 25 132 17件国際郵便物 5 3 韓国 合計 51 150 10件 中国 14件 <金地金の主な摘発事例> 香港から航空貨物により金地金約 30kg を密輸入しようとした韓国人 2名を関税法違反で告発しました。 (令和2年 12 月・東京税関) <!-- page break --> 2.金地金密輸入の仕組み 金地金の密輸入は、消費税を申告・納付せずに国内に持ち込んだ金地金を国内の金地金買取事 業者に売却することによって、消費税額相当分を利益として獲得することを目的に行われていると考えられます。 例えば、本体価格 500 万円/㎏の金地金 5 ㎏(2,500 万円)を輸入する場合、本来であれば輸 入時に税関で 250 万円(2,500 万円×10%)の消費税を納付する必要があります。しかしながら、 密輸入を企てる者は、その消費税の納付を行うことなく、金地金を国内に持ち込みます。そうして密輸入した金地金を市中の金地金買取業者が消費税(250 万円)込みの価格で買い取ることによって、密 輸入を企てる者は、この消費税相当分を利益として得ることとなります。 金地金の密輸入によって得られた利益については、国外に持ち出され、新たな金地金の購入資金に 充てられているようです。そして、このような金地金の密輸入は、多くの場合、組織的に行われていると考えられます。 一方、金買取店が買い取った金地金は、その後は正規の流通経路に乗ることとなり、国内需要を上 回る分は輸出され、国際的な金市場に還流していると考えられます。 このような仕組みで金地金の密輸入が行われているとすれば、密輸入を通じて得られた利益は、犯罪組織の資金源になっている可能性があると言えます。 金地金密輸入の仕組み(例)